ソルフェージュは西洋音楽の基礎的な訓練である、楽譜を読むことを中心としたもの
ソルフェージュという言葉は、クラシック音楽を習ったことのある人ならば、聞き覚えがのある一度は通過する学習項目です。 ソルフェージュはフランス語のsolfegeのことで西洋音楽の全般の学習の中では基礎的な訓練であり、楽譜を読むことを中心とするものです。
正式に音楽を学ぼうと思えば、その専門分野に関わらす、まず避けては通れない必修の課目であり、音楽大学の入学試験でも、このソルフェージュの能力テストが含まれています。
楽譜を読んで音符を音としてイメージ
読譜を厳密に言えば、楽譜を読んで、その音符を音としてイメージすることで、実際には歌ったり楽器で演奏したりすることとなります。
楽譜を読むためには、音の高低の要素と、リズム(拍子)の要素、その他強弱の要素などに分離しなければならず、それぞれを正確に読解する能力が必要となります。音の高さについては、5箋符に階名を付けることで音程を把握しますが、階名には一般的に知られるイタリア音名のドレミファソラシが用いられます。
一般的なハ長調以外の場合だと「移動ド」「固定ド」など複数の読み方もありますが、どれが適しているとは一概に言えない問題のようです。
ハ長調とは、読んで字のごとく「イロハニホヘト」の「ハ」のことで、「イ」はAでラのことですから、「ハ」はCでドのことになります。つまりハ音を主音とする長調ということで、長調とは簡単に言えばピアノの鍵盤の白い部分のことで1オクターブに7音ある音階のことで全音階とも呼びます。
ソルフェージュの実力を測る方法、初見と聴音
ちなみに短調とは鍵盤の黒い部分も用いる音階のことで、どちらもハーモニーのあることが前提となっています。
ギターのコードに出てくる「メジャー」は長調で、「マイナー」などは短調というわけです。
「移動ド」というのは、日本では馴染みが薄く、例をあげれば、アメリカなどの英語圏ではシャープは母音をiと発音し、フラットだと母音をeと発音する現代音楽向けのものです。日本では「ド」のシャープはシーシャープと呼ぶので「固定ド」というわけです。
このように、楽譜は音階ひとつだけでもなかなか複雑なものですが、長短の他にも、拍子、強弱記号やアーティキュレーションなどが加わるので、それらを含めて正確に読みとらなければならないので、地道な訓練が欠かせません。
実際のソルフェージュの実力を測る方法としては、初見と聴音があります。初めて見た楽譜で、1回も試演せずに楽器を演奏することを初見奏といい、歌唱の場合には視唱といいます。
しかし、楽譜を見るなりすぐ演奏するわけではありません。読譜訓練の中には、事前に読譜して短時間の内に曲全体を把握して、あらかじめ演奏しにくそうな部分などもピックアップしておく訓練も含まれています。
ソルフェージュ 聴音のコツ
初見の場合には、楽譜を初めて読みながらの初演奏となるのですが、ポイントは常に1小節~2小節程度を先読みできるかという点にあり、それで演奏技術のための事前準備が同時進行で行われているかということになります。
聴音は、実際の音だけを聞いて楽譜に書き取っていくことで、これは近年ポピュラー音楽などでもよく用いられる通称「耳コピー」に相当します。聴音のコツは、音が鳴っている時にはできるだけ簡易な方法で音をメモすることで、後で楽譜として整えるという工夫が必要になります。
ソルフェージュは、こうした能力を全般的にマスターしているかが問われます。